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X 訴訟からわかるビジネスモデル特許活用のヒント
(2009.8.5)
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平成21年7月、訴訟は和解という形で決着した。和解内容の詳細は不明であるが、新聞記事(
T.係争の経緯
参照)によれば、原告である東京都民銀行の主張は認められなかった(新聞記事のコメント自体も和解条項に従ったものである可能性がある)。ここでは、今回の訴訟のポイントを整理し簡潔に列挙する。今後、ビジネスモデルについての特許戦略を考えるうえでのヒントになるであろう。
(1)係争のはじまり
原告は、被告らが、原告のシステムを知り、かつ本件特許発明の存在を認識しつつサービスの模倣を行ったという認識を有している。訴状に記載された原告の主張によれば、以下のような経緯がある。
・原告は、平成16年8月、本件システムに関する送金回線容量について旧UFJ銀行に相談を行った際に、ビジネスの発想やシステムの概要を書面で提示し、詳細なデータの流れを相手方に口頭で説明した。
・被告らは、上記の情報開示に基づいて、同様のシステムを構築し、平成18年3月に類似のサービスを開始した。
被告らが実際に上記のような経緯で模倣を行ったのであれば、原告としては、どうしたら当該模倣を阻止できたのかを考えることが重要である。こうした被告らの模倣がなければ、今回の係争を避けることができただけでなく、有利に当該ビジネスを展開できたかもしれないのである。以下に、考えられるいくつかのポイントを挙げてみた。
(1)−1
早い段階での、自社アイデア(サービス)に関する価値評価
(1)−2
アイデアが模倣されるリスクの認識
(1)−3
特許出願の時点で期待される排他的効力
(1)−4
相手方に対する情報開示の是非とその範囲
(1)−5
事業部門、システム部門、知財部門の連携
(1)−6
特許戦略と並行して考慮すべきもう1つのサービス保護戦略
(2)訴訟の提起はどのようにして決断されたか
平成19年7月に提起された訴訟は、その2年後、原告の要求が受け入れられない形での終結となる。上述した経緯(おそらくは、いくぶん感情的な要素)も訴訟をスタートさせる一因となったものと推察できるが、訴訟の提起を踏みとどまる、あるいは他の解決手段を選択する余地はなかったのか、検討すべきポイントを挙げてみた。
(2)−1
特許権の効力の検証(技術的範囲の充足や無効理由など)
(2)−2
訴訟における立証の目途・勝算
(2)−3
訴訟提起の方向に進む力学
(2)−4
アイデアの模倣に対する責任の追及や、模倣を阻止するための別の方法
(3)重要なビジネスモデルの特許化
「前給(東京都民銀行)」、「SOッCA(三菱東京UFJ等)」、「即給(さくら情報システム等)」と、同種の3つのサービスが同時に提供されている現在の状況は、当該サービスが、いかに重要なビジネスモデルであったかを示している。このようなビジネスモデルを効果的に独占できるような「強い特許」の取得について考えてみる。検討すべきポイントを挙げてみた。
(3)−1
ビジネスモデル特許の出願書類における特殊性
(3)−2
2つの仕様(業務仕様とシステム仕様)のバリエーション
(3)−3
重要なアイデアを守るための、特別な出願費用
(3)−4
有効な排他的効力を備える権利範囲の設定
(3)−5
立証が容易な権利の追求と審査の壁
(4)その他
原告以外の訴訟関係者に関するポイントは以下の通り。
(4)−1
被告が複数存在する場合の訴訟戦略
(4)−2
システム開発やシステム運用を担う企業の訴訟リスクと訴訟対策
(4)−3
裁判所が様々なトーンで勧める和解と、これを勧める理由
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